桜崎の手記

桜崎ていが日頃の出来事やちょい長めの文章を放流します。

【アイドル部】私がアイドル部を箱推しし始めた理由【はんぱないパッション 感想】

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アイドル部とは、.LIVE(どっとライブ)・私立ばあちゃる学園に所属するvtuber12人で構成された部活動である。

 

アイドル部に関心を持ったのは学力テストの動画から。

初めて見た生配信はヤマトイオリちゃん(イオリン)のキノピオ隊長のゲーム実況だった、気がする。

そんな新参者の私が今ではアイドル部を箱推ししている。

推し始めた経緯など憶えていない。

記録する暇も惜しんで、気づけばメンバーのリレー配信やアーカイブ、動画、MMDを視聴しまくっていたんだから。

推すなんてそんなもんだ。

 

急速な感情の高まり、リレー配信に制御され始めた私生活。

ここ1ヶ月で人生がだいぶ狂った気がするが、それもいいかと思える。

 

 

「令和元年5月19日、アイドル部1周年の大舞台に魅入る」なんて、数月前の私は考えもしなかった。

 

 

 

 

1.アスタリスク

 

『光り続けようあの星のように』

 

よみうりランドでも披露されたという、アイドル部MAD代表作の楽曲。

3人ずつ舞台に現れるメンバーの声を聴き分けながら、誰もが「あぁ!」と思ったんじゃないだろうか。

「私たちが空創してきた舞台が目の前で実現した」

「これは夢だけど、夢じゃないんだ」

思いを灯したサイリウムと共に、星々は瞬き始める。

 

 

2.ようこそジャパリパークへ

 

『今日はアイドル部1周年イベントに来てくれてありがとう!』

 

キャッチーな曲と共に、かわいさドバドバな花京院ちえりちゃんの歌声が響く。

けものフレンズにちなんでか、ちえりちゃんの周りにはけものなメンバーが出演。ちえりちゃんも「にゃん」をとってつければけものである。

配信では常に余裕の笑みで可愛さを振りまく彼女でも、誤魔化しの効かないソロをトップバッター、緊張しない筈がない。

 

だが、スイッチの入った彼女は緊張も見せず、配信とは別人だった。

「邪破裏覇〜」などと表すのがおこがましいほど、まっすぐで純粋な可憐さで、わかっていても心を掴まれる。

根強い熱気を帯びる従業員は、彼女のこの二面性に心惹かれているのではないか。

いつもの「かわいい」の伝えすぎで、本当に伝えたい時に薄まってしまう、というのも困りものだ。

 

 

3.Butter-Fly

 

『未来の自分に向けてこの選曲をしました!アイドル部みんなで、これからも飛んでいきます!』

 

次にマイクを握ったのは金剛いろはちゃん(ごんごん)。

配信では近所の面白いお姉ちゃんのように気丈で朗らか。聞き覚えのあるネタや変な笑い方で視聴者にバカにされることも少なくない。

そんなごんごんの歌声は爽快で、どこか優しくて、「伝えたい」という気持ちが先に伝わってくるような前のめりなものだった。

反響した会場の盛り上がりもひとしおで、イメージカラーの黄色い灯りが彼女の長髪をなびかせているようで。

 

彼女の翼は頼りないのかもしれない、ぎこちないのかもしれない。

それでも、みんなが「頼りたい」と思う翼であることは確かなのだ。

 

 

4.かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!

 

『みんなの顔も見えてるよー、ありがとーう』

 

そんなごんごんと対照的にゆったりとした北上双葉ちゃん(ふーちゃん)がバトンタッチで登場。夜桜たまちゃんと木曽あずきちゃん(あずきち)が応援に駆けつけ、私立ばあちゃる学園生徒会メンバーとなる。

 

この楽曲は正直「かわいい」としか言わせないもので、約3分半かわいいの暴力に遭ったというのが相応しい。

ただ、このかわいいの暴力は日頃の配信のものとは少し違い、垣間見える真剣な歌声によって出来上がったものだと感じた。

特にラストサビ直前の声色はぴんと張っているような、デフォルメの全くないもので、一瞬大人なふーちゃんを魅せられる。

 

その後のうまるのようなギャップの破壊力で、結局私たちはかわいいに打ちのめされた。

 

 

5.海色

 

『進むのよ やれるって まだ

全部嘘 これで終わり違う!』

 

舞台を初めてひとりじめにしたのが八重沢なとりちゃん(なとなと)。

賑やかではないだろう。だが、一面の田園に照らされた彼女は凛とした出で立ちで、私の歌を聴けとばかりに会場の空気を支配していた。

 

なとなとの歌声はニコニコ超会議でのイベント「バーチャルさんがいっぱい」で、後述の猫乃木もちちゃん(もちにゃん)・あずきちと共に聴いていたので、どれほど魅力的かは見当をつけていた。

しかし、天樂で歌声に圧倒されたことの対策はすっかり忘れ、また同じように圧倒されてしまった。

すうっと伸びていくような声にガリベンガーVの彼女やふにゃふにゃな彼女を対比して、あの世界は狭いのかな、一体なとなとはどこまで伸びていくんだろう、という思いに耽ってばかりで。

 

『違う!』『ありがとう』に心臓をやられる。ありがとうはこっちの台詞だ。

 

 

6.冥夜花伝廊

 

『諸君、まだまだ強く生きろよ!!』

 

牛巻りこちゃん(りこぴん)の歌声は『We Wish You a Merry Christmas』の動画でワンフレーズしか聴いたことがなかった。

忙しさ故に露出も少なく、彼女自身もアイドル部の中ではレアな存在だ。

 

そんなりこぴんは雷のように強くストレートな歌声で、観客の脳にその雄姿を濃く焼きつけた。「牛巻りこ」と聞けば瞬時に熱唱っぷりが蘇る程に。最早憧れを抱いた節もある。

動画や配信が増えてほしいのは事実だが、この時だけは日頃のさすらいぶりが、彼女の仕事人の如き華麗さを引き立てていた。

 

日頃は強く生きろよと言い合うりこぴんとファン。

だが彼女に落とされた今、私たちは彼女の言うがまま強く生きるしかない。

 

 

7.コネクト

 

『目覚めた心は走り出した未来を描くため

難しい道で立ち止まっても

空はきれいな青さでいつも待っててくれる

だから怖くない

もうなにがあっても挫けない』

 

カルロ・ピノちゃんが今回メインで歌った2曲は、どちらも以前の配信で彼女が歌っていたものだった。

配信の頃からかわいいと言われる歌声はライブでも健在。

しかし大舞台に登った彼女の歌声はそれにも増して、高校生のメンバーに負けない広がりで会場全体を潤した。

 

『お姉ちゃん方やファンの皆様と過ごす日々は、私の、一番の宝物になりました』

 

ありのままにアイドル部で過ごすことができたからこそ、今の眩しいピノちゃんがいる。

そう思えば思うほど、真剣な歌声の中から彼女の喜びがにじみ出ているようだ。

 

華奢な彼女に宿る、五分にとどまらぬ美しい魂。

その叫びはどこまでも届けられるだろう。

 

 

8.私、アイドル宣言

 

You're my angel!!

 

たまちゃんは元々、ずっと聞いていられるような細く優しい声の持ち主だ。

それにアイドル部のアイドル宣言、特に彼女に当てはまる歌詞は多いのだろう。

彼女がこの歌を歌ってくれてよかったと芯から思わせた。

 

そんな中、「泣く」と配信で自己申告していた彼女の声が、歌が進むにつれ段々と震え始める。

大きな舞台の中心で、やってしまったと本人は思ったかもしれない。

 

それでも。

『次は、たまお姉ちゃんがお歌を歌ってくれます』と歌う前に入った唯一名指しのアナウンス、

『私のエンジェルを紹介したいと思います』そう呼んで応援にりこぴんが現れ、

崩れてもなお最後まで立ち続け。

 

終始彼女の周りでは、歓声と応援が巻き起こったのだ。

すべて本物だ。

 

既に見た者を虜にできるアイドルであることに、彼女はいつ気付くだろうか。

 

 

9.ダダダダ天使

 

『みんなの笑顔、見えてるよー!めめめ今すっごい楽しい!みんなも楽しんでくれてますかー?』

 

涙のムードを手慣れた調子でポップに切り替えたのが、もこ田めめめちゃんだ。

小峠さんには今後も定期的に「なんだよめめめって」と言ってもらいたい。

 

めめめちゃんが歌で声色がガラリと変わる化け物族であることは、もちもこらぼや時折の歌配信で知っていた。

だがこの曲で現れた彼女は、等身大のもこ田めめめそのままだったのだ。

曲の主人公と重なりが強かったのだろう。

かわいい曲調・かわいい響きをナチュラルに聴く内に、癖の強い彼女が純粋な可愛さのもとに成り立っていることに気づかされる。

 

意図的か偶然か、たまちゃんの曲から天使というワードがつながっていた。

ダメかなんて気にせずに天使だと認める者が、人間界にはたくさんいる。

 

 

9.5 トーク

 

🌹🐴🌹

馬も愛すべき。

 

 

10.GO GO ちえり

 

『時給いくらになったと思う?3円だよ♪』

 

ちえりちゃんのファンサービスがことごとく凄まじい。

喜ばない訳がない。

開演前のちえりーらんどのCMもそう、個人のブランドが最も確立されているのは間違いなくちえりちゃんだと言える。

アップテンポなビートにのって、私たちが思い描いていた歌声が生きたまま響いてくる。

従業員でなくとも「GO! GO! ちえり!」と叫びたくなる。

 

ちえりちゃんと従業員の間で生まれたこの奇跡は、まさに彼女の1年間の賜物だ。

 

 

11.ロキ

 

『死ぬんじゃねぇぞお互いにな!!』

 

あずきち───彼女の隠し球を全て暴くことなど不可能なのだ。

今更ながらに悟る。

 

歌が上手いという確信だけ持ったまま始まったパフォーマンス。

ひっそりと佇む彼女から飛び出したのは全く知らない誰かの歌声であり、その瞬間成立する「あずきちから発せられた」という事実だけが彼女の一側面を確定させる。

 

神秘的な声の数々で難曲を歌いきったあずきち。

声の怒涛の勢いと淡々とした立ち振る舞いのギャップが激しいあまり、見ているだけでにやりと笑いがこぼれてしまう。

ブラックボックスな彼女に酔いしれるばかりだ。

 

 

12.ブルーバード

 

『あのね、イオリたちはこれからも羽ばたくよっていう気持ちを込めるよ!見届けてね!』

 

イオリンのツイッターの音マネを一瞬思い出し微笑ましくなる。

だが彼女が広げた翼はどこまでも大きく、どこまでも澄み渡っていて。

あっという間に雲ひとつない青空が広がったようで、いつまでも聴いていたかった。

今何を思いながら歌っているんだろう。

配信でしゃべくる彼女が何を考え言っているのか、と同じようにそう考え、色々な「ききたい」が混ざっていく。

 

ライブ直前の配信でうずうずとしていたイオリン。

彼女が本番で飛び回れたことが、自分ごとのように愛おしく思える。

 

彼女は本当に、本当に、大きな声で歌いたかったのだ。

 

 

13.アスノヨゾラ哨戒班

 

『未来を少しでも君といたいから叫ぼう

今日の日をいつか思い出せ 未来の僕ら』

 

日毎に明らかになっていく歌姫としての素顔、それが広く知れ渡ることとなったイベント『バーチャルさんがいっぱい』。

世界にもちにゃんの歌声が広く伝わり、彼女への観客の期待はずっと高かっただろう。

ふっと現れた真紅の彼女。

一語一句に思いが篭る、力強くもたおやかな声。歌う度に私たちの期待を深く越えていく。

スピーディでも朗読のようで、またしても彼女の解釈した世界に浸ってしまった。

 

 

「夢は、いつか大きな舞台でみんなに歌を聴いてもらうこと」

もちにゃんは自己紹介動画でそう語っていた。

 

『今日は来てくれて、本当にありがとーう!

…そして、夢を叶えてくれて、本当にありがとう!』

 

この日を何度でも思い出そう。

夢を叶えた瞬間の記憶は、これからも強い力になる。

 

そして彼女の次の夢だって、きっと叶う。

 

 

14.ダンスロボットダンス

 

『合理とは真逆のプログラム

知りたい知りたい

ねえもっと付きあって!』

 

ライブも折り返し、ここで初めてセンターに立った神楽すずちゃん(すずすず)。

彼女の声の通りは異常であり、サブメンバーで登壇した時でさえ、メインボーカルの注目を奪いかねない程の煽りを見せていた。

はんぱないパッションの考案者なだけあって、清楚の内側の情熱が滾っていたのだろう。

 

そんなすずすずのこの選曲は、日頃の配信の小ネタを含んでいる(はずだ)。

だが彼女が声を発した途端、ネタの要素など吹っ飛び、正真正銘アイドルの空間が広がった。

苦しそうなことなく高らかで愛くるしい歌声。それを完遂するプロフェッショナルさに、聴き入りながら感服してしまう。

 

配信で様々な側面を見せてくれる彼女が、神秘的なアイドルという存在に変貌した。この瞬間は正直に、ドキッとさせられたと言わざるを得ない。

 

 

14.5 メンバートーク

 

推すなんてそんなもんだ、と自分で言っておきながら、どうしても自問自答してしまう。

だって出会ってまだ1ヶ月だ。そんなことってあるか。何かしら明確な、箱推ししたくなる理由があるんじゃないか。

そう頭の片隅で考えながら、セットリストに線を引いていく。はんぱないパッションも締めが見えてきてしまった。

 

 

15.ドレミファロンド

 

『皆様、ついてこれてますかー?一緒にもっと笑顔で歌いますよー!』

 

みんなで踊りましょうと言っていたのに途中でメンバーが飛んでいってしまったのは寂しい。

かわいい。

変に駄文はつかない。

ニコニコ動画のコメントで万人が病を治していたが、精神への癒しに直結することは確かである。

こんなににこにこと歌ってくれること自体が嬉しいと思ったのも久しぶり。

 

 

16.ゴーストルール

 

『みんなには、めめめの声が届いてますか?めめめには、みんなの声が聞こえてるよ』

 

彼女が化けたのが2曲目のこの歌。

愛らしい子どものような日頃の彼女は隠れ、クールでも情熱的な女性が飛び出す。

これもめめめちゃんなのだ。

ステージ中を駆け回り歌って踊って…というアイドルっぷりに、内なる力強さを肌で感じた。

 

元から属性過多の彼女にかわいいもかっこいいも加わるとなると、いよいよずるい存在にも思える。

 

 

17.バケモノダンスフロア

 

『ユラリユラリ、帰依、乱舞の沈丁花

さぁ皆舞いな、空洞のダンスフロア』

 

りこぴんが間奏中の煽りに訪れたが、あずきち本人は歌詞以外口にすることはない。

彼女の拘りなのだろう。

難しい楽曲をすらすらと飄々と、別人のように歌い上げる。

過激な表現だが、まさにバケモノといえよう。

しゃくりと「ダンス」の部分の力強さがクセになり、ついついヘビロテしてしまいたくなる3分間だ。

 

 

18.Trip Trip Trip

 

『シロさん、プロデューサー、アイドル部のみんな、応援してくださる皆さん が、私の道しるべになってます!』

 

かわいい1曲目だったすずすずの2曲目は、さらにメルヘンチックになっていた。

しかし曲がどうかなど、彼女には関係ない。

ごんごんの「透き通っててだいすこ」が的確で、ミントのような、熱気のこもった会場に水をかけてくれているような、爽やかな歌声が終始響き渡った。

台詞を間違えた際のあざとさも尋常でない。

 

『私のアイドル姿、しかと刮目せよ!』

 

刮目しました。

 

 

19.ラプンツェル

 

『春を待つ僕の夢だ』

 

このライブで唯一、歌唱中に観客の歓声が漏れなかった曲。

それは盛り上がらなかったという訳ではない。

もちにゃんが広げる歌の結界に、干渉せず耽りたかったのだ。

感極まりつつも歌い遂げる彼女に、底知れぬ強さを感じた。

 

超会議でも歌ってみた動画でも披露してきてきて、もちにゃんの代名詞ともなったラプンツェル

だがどんなに披露しても、同じものは二つとしてない。

彼女が読み進めていく度に、この歌は進化していく。

 

 

20.千本桜

 

こぶしのガツンと効いたなとなとの歌声は雄々しくも艶やかで、男女関係なく惚れてしまうような雅な時間を魅せられた。

絶え間ないかけ声とサイリウムも当然だ。

「まだまだ熱く歌ってくれ」

毎曲募っていた思いが、ここにきて大きく強くなる。

 

 

そして。

 

 

今日はありがとうございました!

みんなとこの場所に立てて嬉しいな!

私たちが今ここにいられるのは、

アイドル部に興味を持ってくれたみんな、

配信を見に来てくれたみんな、

そして、支えてくださった皆様のおかげです!

私たちも、アイドル部が大好きです!

本っ当にありがとう!

ありがとうございます!

君たちとこの日を迎えられて、

私たちは今、

とーっても幸せだよ!

 

 

 

 

 

 

21.

 

 

 

 

 

そうだ。

彼女たちはアイドル部が、アイドル部の仲間たちが、本当に大好きなんだ。

全員が全員の北極星で、全員を道しるべに、安心して前へと歩める。

それはどんなに幸せなことだろうか。

 

だからこそ、

この和やかで温かい、報われた彼女たち全員を、これからも観測し、応援していきたいと願うのだ。

 

 

天高く輝く星々に手が届くことに、感謝しています。

 

アイドル部発足当時から見届けてきたファンはよりこの感動が大きいのだろう、

そう思うとなんだか悔しくてたまらない。

これから皆のアーカイブも制覇して、彼らに追いついていきたい。

そして皆の軌跡を胸に、次の皆の晴れ舞台を臨むんだ。

 

 

 

さあ、次はどこで、何を魅せようか。