桜崎の手記

桜崎ていが日頃の出来事やちょい長めの文章を放流します。

麻雀&生き物初心者の私からオススメします。【ぴのらぼ・たまーじゃん感想】

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 このブログはすっかりどっとライブ関連の記事を垂れ流すものになってしまいました。

でも書きたいものを書くというのが楽しく長続きさせる上で一番大事ですよね。

という訳で、今回はアイドル部に所属するメンバーが執筆した2冊『ぴのらぼ』と『たまーじゃん』を、感想とともに紹介していきます。

 

はじめに

『ぴのらぼ 絶対に見つからないいきものさん 隠れているやつらを見つけだせ!』

『たまーじゃん 夜桜たまがマンガで教える麻雀入門』

2冊とも…

 

Vtuberが書いた本」なんて色眼鏡があるなら外してほしい、どんな人にもオススメできる本です。

 

このブログにたどり着いた方は、もう2冊とも購入済みであったり、買っていなくとも書籍や彼女たちに好意を抱いていたりと、少なくともまったく「え、知らない」ということはないでしょう。

これは「え、知らない」という方にこそ伝えたいことなので、実にもどかしい。

著者であるカルロピノちゃん・夜桜たまちゃんはそれぞれ生き物と麻雀が本当に心から好きで、「沢山の人に自分の好きなものへ興味・関心をもってもらいたい」という純粋な精神で制作していらっしゃるんです。それは私の言葉よりも実際に読む方が伝わってくると思います。

タイトルにもある通り麻雀も生き物も初心者で、かつそれらへすこぶる熱意があった訳でもない私でも、すんなりと読み進めのめり込んでしまう、それは勿論彼女たちのファンだからというのもあるでしょうが、より大きな理由があるはずです。

 

 

 

ぴのらぼ 絶対に見つからないいきものさん 隠れているやつらを見つけだせ!

著 カルロ・ピノ

絵 八重沢なとり

 

 

ぴのらぼ 絶対に見つからないいきものさん 隠れているやつらを見つけだせ!

ぴのらぼ 絶対に見つからないいきものさん 隠れているやつらを見つけだせ!

 

 

タイトルのとおり、絵の中から隠れた生き物を見つけるかくれんぼコーナーが、生き物の解説の合間に設けられています。

 

“絶対”に見つからない?

まあまあまあ…時間はかかるかもしれないね〜…

と、なめていました。正直。子どもがよく使う「絶対」の類いだろうと。

綺麗なイラストだと思いながらかくれんぼは正直なめてかかりました。

(いや、まあ…見つかるだろ…)と。

 

 

 

2匹ガチで見つけられませんでした。

非児童が。

一応児童書なのに。

印刷の関係などではなく、本当に巧妙に隠されています。見つけられた生き物も決して子供騙しでなく、「あぁ、これか!」と唸ってしまうものばかり。

生き延びようとする生き物の全力と、読者を驚かせようとするピノ様の全力、両方をひしひしと感じます。

 

カルロピノちゃんの豊富な知識と、八重沢なとりちゃんのイラストが醸す謎の魅力

 

ぴのらぼの全編を通してイラストを担当しているのが、なとなとこと八重沢なとりちゃんです。

前作『ぴのらぼ おいしい虫さんたち みんなでやりたい虫クイズ』でもイラスト担当で、2人は今生のぴのらぼコンビといえます。

 

そんな2人が織りなすぴのらぼ、表紙は児童書らしくポワポワとしていますが、中身には思わず大人も吸い込まれてしまいます。

 

まずピノ様の豊富すぎる知識。あらゆる生き物の「実は…」がぽんぽん出てくる。

読者も知ってる実はだー!と見せかけて、さらに奥深くの豆知識が飛び出す。

そのどれもこれもが誰かに話したくなってしまうようなものばかりなのも素敵なんです。

 

後述のたまちゃんもそうですが、彼女にはよりコアな知識も沢山あるはずで、数ある知識の中から聞いた人が驚き楽しんでくれるものをピックアップしているんです。

そう考えると、ピノ様は教え上手・伝え上手だなあと本当に思います。

 

そしてなとなとのイラスト。適度にデフォルメされていながら特徴はしっかり掴んでいるんです。凄いんです。

これって普通のように聞こえるかもしれませんが、一朝一夕にできることではありません。リアルに描く技術とそこから特徴を残しつつデフォルメする技術の両方が必要なのですから。

デフォルメされているから生き物が苦手な子でも見やすい、ぴのらぼにとって完璧なイラストだと言えるでしょう。

生き物の味がありつつかわいい顔や色使い、ほかにも言い表わせない魅力を沢山感じました。

特に水中のかくれんぼ一枚絵は必見です。

前作はまた違ったタッチですので、気になる方はそちらも是非。

 

『ぴのらぼ』は読者に何をもたらすか

 

温かいです。子どもよりも大人の方が温かさが身にしみるでしょう。なんでしょうね、どこか満ち足りた感覚なんです。(語彙力が)

そんな中でも、ピノ様の読者への願いが感じ取れました。

 

彼女はぴのらぼ自体を読んでほしいのは勿論ですが、読んだ人が自然の生き物に実際にふれあってくれるようになることこそを望んでいるんですよね。

前作もそうです。どちらも読者が生き物に興味関心を持つきっかけとしての役割が大きくて、最後は本から顔を上げて、実際に生き物さんを見てみませんかと伝えてくれる。

 

それはもう本当に生物博士の域ですし、熱意ある姿勢を人として尊敬します。

 

ぴのらぼを読んだ後、子どもの見る世界はより輝くでしょう。手に取る人、そしてピノ様と同じように自然へ踏み出して行く人が増えますように。

 

 

 

たまーじゃん 夜桜たまがマンガで教える麻雀入門

著 夜桜たま

絵 花京院ちえり

 

 

たまーじゃん 夜桜たまがマンガで教える麻雀入門

たまーじゃん 夜桜たまがマンガで教える麻雀入門

 

 

夜桜たまちゃんに出会うまで、私は一生麻雀とは縁のない人間だと思っていました。そしてアイドル部を箱推しし始めてからも、「たまちゃんの麻雀配信は見るけど実際にやりはしないかな」という感じでした。

 

 

 

麻雀始めました。

 

勿論まだまだ勝てる数は少ないですが、大きな役を狙っているだけでも楽しいですし、勝てた時の喜びは格別です。

自分にあった打ち方診断でCタイプになりまして、もう少し大胆な打ち方を目指したいなと思っていたんですが、実際に打ってみるとタイプ通り一盃口チャンタを目指すことが多くてビックリしたんですよね。

最初に字牌を切ってしまうことが多く、知識が完璧でないので役なしを恐れてなかなか鳴けないことばかりですが、これから数をこなしてどんどん新しい打ち方にも挑戦したいものです。

 

麻雀が全くわからない方には「???」な文章だと思います。私も少し前までそうでした。

ですがどうでしょう、話す内容はわからなくても、私が楽しんでいるようには見えるのではないでしょうか。

事実楽しいんです。

「楽しく打てるように」というたまちゃんの策略にまんまとはまってしまいました。

 

親しみやすいイラスト、そして配慮し尽くされた内容構成

 

夜桜たまちゃんと、同じ麻雀部所属の花京院ちえりちゃんが数多く盛り込まれたイラストを担当しています。このイラストが2人ともふんわりと優しいんです。お腹が痛い時に見たら落ち着くような。ごめんなさいこれは悪い例えですね。

マンガパートはちえりちゃん(とばあちゃるさん)が麻雀を学ぶべくたまちゃんと麻雀合宿をするという内容で、7日間という合宿の日数に合わせて学ぶ内容が進行していきます。

マンガパートのほかにもイラストが散りばめられているのですが、このたまちゃん担当のイラスト、かわいいだけでなく描いている量がかなり多いです。フルカラーですし。

マンガで教える系の本の中でも多い方だと思います。(会話形式の時の2人のアイコンが一つ一つ微妙に違うので必見です!)

また、章末ごとに一日の終わりの絵日記としてちえりちゃんのイラストが見られるのですが、ふわっふわ感が凄いです。

本当に。

わたがしのような柔らかさで眺めるだけで微笑んでしまいます。

この2人のイラストが、麻雀へのとっつきやすさを補っているのだと言えるでしょう。

 

さて内容ですが、本の構成も教える量も質も、入門書として最適ではないかと初心者の私は思いました。

土田浩翔プロも絶賛ですし間違いないのではー?

 

はい。

まず、PC・アプリ版もリアル麻雀もこれ一冊で遊び方がわかる。リアルで遊ぶ時の場所決めや配牌等含め、必要な情報は制覇しています。マニュアルとしてこれ一冊で完結しているのがまず嬉しいですし、長い間使っていけます。

 

 

次に、2番目に感動したことですが、教える順番がすごく考えられています。

 

麻雀を難しく感じる理由って、

・用語がどれも難しい

・何をすれば勝ちかわからない

・勝ち方が多くて複雑

・チーポンカンって何をしているんだろう?

・相手に勝たせないように、なんて考えられない

と、色々あると思います。そして、どれも沢山の入り組んだ答えが待っているんです。

勝とうとしてすべての知識を一度に覚えようとして、あまりの複雑さに麻雀の道を諦めてしまう方は少なくないのではないでしょうか。私もその一人でした。

そんな麻雀を、たまーじゃんははじめから順番に読んでいくだけで、ちゃんと打てるようになりながらスムーズにレベルアップできるんです。

「レベルアップ」というのがポイントで、麻雀自体は1章を読むだけで打てるようになるんです。

まず打てるようになってから、どんな役があるのかを学び、戦略が広がる副露を学び、そうして自身の牌管理に余裕がでてきてから相手の捨て牌からの読みを学ぶ。

 

麻雀の上達って多分少しずつでよくて、「楽しい!」が「勝ちたい!」になってきたら次に進めばいいんだなあ、と。

「難しいことを考える前に、まずは楽しめるように」という彼女の意気込みを強く感じます。

 

 

そして3つめ、これが一番の感動です。

 

徹底された「楽しく麻雀しよう」。

 

全編通して、「好き」「楽しい」が散りばめられていて、常にたまちゃんが重視しているのは打つ人の気持ちであることがわかります。

「こう打つのが好きな人向けの役」「楽しく打てる自分にあった打ち方」などが最たる例ですが、特に見てほしいのがYES NO 診断の後。

 

タイプ毎に分かれたページで悩ましい配牌図の例題を示し、「あなたならどの牌をどうして切りたい?」と訪ねてきます。

 

この「どうして」がとても大事だと思って。

 

どう打つかは一人ひとりが決めるんです。そしてそのいかなる選択も正解なんです。

「なんとなく」だったり「セオリーに従っただけ」だったりだと、楽しくないんですよね。その選択に自分がいないから。

自分で理由を持って選択することで、勝った時は勿論嬉しいし、負けたとしても感情が動く。そしてもう一回もう一回と、打つ手が止まらなくなっていく。

 

だから、たまちゃんは初心者にこそ自分で考えてみてほしいのだろうなあと思います。

他の麻雀入門書も書店でパラパラと読みましたが、初心者の楽しむ気持ちを重視しているという点で、確実にたまーじゃんは抜きん出てると言えるでしょう。

 

 

おわりに

 

『ぴのらぼ』と『たまーじゃん』、発売本当におめでとうございます。

長ったらしい感想の後で端的にはなりますが、最後に念押しオススメを。

ぴのらぼもたまーじゃんも、読む人のことを深く考えてくれている、優しい、生涯本棚に置いておきたい一冊です!!

 

 

 

 

 

追記

 

先日行われた『MF文庫J 夏の文化祭2019』にて、彼女たちと同じアイドル部所属のヤマトイオリちゃんともこ田めめめちゃんによるエッセイ本『私の幸せな時間が長い理由』が11月10日に発売されることが発表されました。

 

 

 

1周年を超えて、アイドル部はどんどん飛躍していきますね。本当に嬉しく思います。

 

 

おめでとう!!!